StudioXについて学ぶ

UiPath StudioXの画面構成【リボンとパネル】

2021/04/14

StudioXの編集画面は、複数のパネルに分割され、たくさんのボタンが配置されています。

実際に使ってみると分かりやすいレイアウトなんですが、初めて見る人にとっては「何に使うの?どんな時に使うの?」というものがありますよね。

それぞれのパネルやボタンが、どのような役割を担っているのかを把握しておくと、編集がとてもスムーズになります。

大事なポイントを解説していきますので、ひとつずつ押さえていきましょう。

この記事では、

編集画面の各パネルの機能を教えて。
編集画面ではどんな操作が出来るの?
パネルのレイアウトを調整したい。

こちらにお答えしていきます。

記事編集時のStudioX - ver2022.4.3

デザインビューの構成

まず、編集画面のことを[デザインビュー]と呼びます。

[デザインビュー]は、リボンと7つのパネルで構成されています。

「全体の制御」、「編集」、「実行・テスト」などの作業フェーズによって、利用するパネルが異なります。

[リボン]には、プロジェクト全体の制御に用いる機能が揃っています。

例えば、プロジェクトの設定や保存、実行、ノートブックをコントロールするボタンなどが配置されていますね。

編集では、[アクティビティ]パネル、[デザイナー]パネル、[プロパティ]パネル、それから[データマネージャー]パネルをメインに利用します。

そして、実行・テスト時には[出力]パネルと[エラーリスト]パネルに表示される結果をチェックします。

リボンとパネルの役割

  • 全体の制御 :[リボン]
  • 編集作業  :[アクティビティ]、[デザイナー]、[プロパティ]
  • ファイル/画面、値などを管理:[データマネージャー]
  • 実行・テスト:[出力]、[エラーリスト]
  • その他 :[オブジェクトリポジトリ]

それぞれを見ていきましょう。

プロジェクト全体を制御する[リボン]

[リボン]には、プロジェクトを制御するボタンが配置されています。

このうち、主なボタンについて説明しましょう。

ちなみに、[保存]ボタン~[やり直す]ボタンは、どのソフトにもよくある機能なので説明は不要ですね。

[プロジェクト]ボタン

[プロジェクト設定]はプロジェクト全体の設定や動作環境を変更する画面を表示します。

もし、プロジェクトの名前や説明などを変更したい場合は、設定で編集可能ですね。

中でも覚えておくといいのが、[プロジェクト設定]内にある、[Excelビジネス]-[Excelウィンドウを表示]です。

通常は、実行時にExcelが開かれますが、Falseにすると、Excelが表示されずに実行されます。

「非表示の何がいいのか?」と言うと、Excelを編集する自動化の場合にこの設定を変更するだけで処理が速くなるんです。

データ量が大きいときは、1.5倍ぐらいスピードUPしますよ。
おぐし

ちなみに、[実行環境の値]と[デバッグ時の値]の2つあるのがどう違うのか気になりますよね。

[実行の値]は、[実行]ボタンクリックや、パブリッシュ後のAssistantの実行で適用されます。

[デバッグ時の値]は、あまり適用される機会が少ないのですが、アクティビティ右クリックメニューの[このアクティビティまで/から実行]の場合にのみ適用されます。

[ノートブック]ボタン

StudioXの大きな特徴でもある、[ノートブック]と連携するボタンです。

ノートブックで編集した値は、[アクティビティ]や[プロパティ]の値に利用出来ます。

実行結果

プロジェクトを新規作成すれば、自動でノートブックが作成されますが、自分で用意したExcelを連携させることもできます。

その場合は、[ノートブックの設定]で読み込むExcelを変更しましょう。

[実行]ボタン

[実行]をクリックで、作成したワークフローを実行します。

もうひとつ、[PiPで実行]とありますが、これは何でしょうか。

PiP=ピクチャインピクチャの略で、別のデスクトップ画面をウィンドウ上で再現し、その中で処理を実行する方法です。

ユーザーが作業しているデスクトップ環境とは別で処理が走るので、とても便利な機能ですね。

基本となるボタンについては以上です。

その他のボタンについても知りたい方は、こちらをご覧ください。

+ クリックして下さい

[パッケージを管理]ボタン

基本のアクティビティでは機能が足りないとき、拡張出来るよう用意されているのがパッケージです。

最初のうちは使わないかもしれませんが、StudioXを使いこなすようになれば、必ずお世話になることでしょう。

[アプリ/Webレコーダー]ボタン

[アプリ/Web]アクティビティで使うツールです。実際にアプリやWebを操作しながら、そのアクションを自動的に記録してくれます。

Excelに「マクロの記録」という機能がありますが、それと似た感じ、と言ったら分かる人もいらっしゃるかもしれません。

でも、恐らくそれよりもっと実用的で、利用することで効率よくワークフローが組み立てられる優れものです。

[表抽出]ボタン

[アプリ/Web]アクティビティで使うツールです。アプリやWebの、構造化されたデータを抽出することが出来ます。

構造化されたデータというのは、つまり表だったり一覧だったりすれば構造化データですね。

例えば、以下は、野球のランキングページですがここには2つの構造化データがあります。

[表抽出]ボタンは、構造化データの値を一気に抽出してくれます。

むしろ、無いと困る機能だといった方がいいかも。

[分析]ボタン

「プロジェクトの設計上望ましくない」と判断されるような作りになっていないか、予め設定されたルールに沿ってチェックする機能です。

例えば、「安全なパスワード入力が出来ているか」とか、「利用していない変数を登録していないか」などをチェックします。

これらをチェックして修正することで、より品質の高い信頼性のあるプロジェクトに仕上げることが出来るわけですね。

[Excelにエクスポート]ボタン

作成したプロジェクトの構造全体を、Excelに書き出す機能です。

[デザイナー]パネルは、画像やフローチャートの見た目になっているおかげで視覚的には非常に分かりやすいものの、その反面一度に確認できる範囲が限られます。

その点、書き出したExcelはテキスト表記のみであり、かつ具体的な値が記載されているので、全体をチェック際に役立ちます。

その他、アクティビティに名前を細かく入力している場合、誤記チェックなどでも使えるでしょう。

[パブリッシュ]ボタン

完成したプロジェクトをOrchestrator、ひいてはUiPath Assistantに登録する処理が、パブリッシュです。

StudioXで編集している状態は、まだ開発段階になります。

開発が完了し、いわゆるリリースするステップがパブリッシュですね。

編集時に利用する[アクティビティ],[デザイナー],[プロパティ]

[アクティビティ]パネル、[デザイナー]パネル、[プロパティ]パネルは、ワークフローの編集を行うための、メインとなる領域です。

3つのパネルの関係性と理解するために、自転車を組み立てる場合を考えてみましょう。

自転車を組み立てる場合には、まず、自転車の【パーツ】と組み立てる【作業場所】が必要です。

自転車の【パーツ】
組み立てる【作業場所】

そして、組み立てた後は、ブレーキの強さやボディカラー、タイヤの空気圧などを【調整】して完成となります。

ブレーキの強さ ボディカラー タイヤの空気圧

これを、3つのパネルに置き換えると、

自動化のプロセスを組むための【パーツ】が[アクティビティ]パネルにまとめられており、それを【作業場所】である[デザイナー]パネルに配置します。

その後、最低限必要な設定は[デザイナー]パネル上で行いますが、更に細かな設定については[プロパティ]パネルで【調整】して、自動化の流れを完成させていきます。

なお、[メッセージボックス]は、初期状態だとこのような表示です。

ここで、プロパティを調整して、タイトルやボタンの種類などを変更してみましょう。

実行した結果はこちら。

操作対象のファイルや値を管理するパネル[データマネージャー]

[データマネージャー]パネルには、[リソース]、[変数]、[プロセス]、[アセット]の情報が一覧表示されています。

リソース

プロジェクトで使用する際、ExcelやWord、アプリ/Webなどは、まずは[リソース]アクティビティを使って指定することから始まります。

そして、リソースを[デザイナー]パネルに追加すると、自動的に一覧へ表示されます。

一覧の名前をダブルクリックすると、使用しているアクティビティへジャンプしてくれます。

変数

値を変数に記憶するアクティビティは、[変数の値を設定]アクションをはじめ、様々なところに存在しますね。

使用されたすべての変数は、変数一覧へ追加されます。

[プロセス]と[アセット]

プロジェクトをパブリッシュすると、プロセスとしてOrchestratorに追加されます。

Orchestratorに追加されたプロセスが、[プロセス]に一覧として表示されます。

また、Orchestrator上では、変数と同じ役割を持つアセットが登録できます。

Orchestratorで登録したアセットが、[アセット]の一覧に表示されます。

[データベース]パネル上では、参照のみとなり、編集などはできません。

実行時に確認する[出力],[エラーリスト]

[出力]パネルで、処理の結果を確認

プロジェクトを実行すると、その実行ログが[出力]パネルに表示されます。

[出力]パネルでは、開始時刻や終了時刻、処理にかかった時間などが表示されていますね。

この出力結果を見て、処理が正常に動作しているかチェックするといいでしょう。

ログの結果を確認しやすくするために、上のボタンでいくつかの機能が用意されています。

[Write Line]アクション

[出力]パネルにテキストを書き込むために用意されているアクティビティが、[Write Line]アクションです。

計算の途中結果や、分岐条件があるときに、どちらのルートを通っているかなどをチェックしたいときがあります。

それが分かるようメッセージを書き込むと、動作検証がしやすくなりますよ。

ワークフローが長くなればなるほど、[出力]パネルの役割はより重要になってきます。

[出力]パネルに表示できる最大行数は2,000行です。(設定で変更も可能)

[エラーリスト]は実行前のエラーチェック

[エラーリスト]パネルには、プロジェクトを実行する前に、検証で見つかったエラーが表示されます。

リボンにある[分析]ボタン、または、[実行]ボタンをクリックすると、構文チェックが行われ、不備があれば[エラーリスト]パネルに表示されます。

エラーについては、処理実行前は[エラーリスト]パネルで、処理実行後は[出力]パネルで確認するという感じですね。
おぐし

UIオブジェクトを管理する[オブジェクトリポジトリ]

[アクティビティ]パネルにある、"アプリとWebの自動化"内のアクティビティで指定したオブジェクト(UI要素)を管理するためのパネルです。

ただ、ver2022.4.3時点のStudioXでは、このパネルを使って何かできるわけではないようです。

今後活用するために、準備されているのかもしれません。

画面のレイアウト調整

[デザインビュー]のパネルは、表示箇所をカスタマイズすることが出来ます。

ここでは、[アクティビティ]パネルを例に説明します。

自動的に隠す

タイトルバーにあるピンマークをクリックすると、パネルを自動的に隠すか、常に表示させるかを変更できます。

自動的に隠した場合、[アクティビティ]タグをクリックすると表示されますので、[デザイナー]パネルを広く使いたい場合には便利です。

パネルを独立させる[フローティング]

タイトルバーを掴んで、画面の外にドラッグすると、パネルが画面から切り離されます。

これを、「フローティング」と言います。

画面と接続して一体化する[ドッキング]

独立したパネルを、[デザインビュー]に接続することを「ドッキング」と言います。

タイトルバーをドラッグして[デザインビュー]に近づけると、水色のボックスが四方に表示されることを確認してください。

あとは、接続したい位置のボックスにマウスカーソルを近づけてマウスボタンを離せばドッキングします。

デザイナーパネルと画面右側とでドッキングした違いはこちら。

青枠が、ドッキングした後のパネルの配置です。

デザイナーパネル右側 画面右側

おススメのレイアウト

僕がお勧めするレイアウトですので、よかったら参考にしてください。

[プロパティ」パネルと[データマネージャー]パネルは、常に表示させておく方が作業しやすいですね。

[出力]パネルは、編集時は非表示に、実行してテストするときは表示させておくというように、切り替えるといいでしょう。

とはいえ、ディスプレイの大きさだったり、作業内容によっても変わります。

自分にとってのベストフィットなレイアウトを見つけましょう。
おぐし

まとめ

StudioXの画面構成は、とても分かりやすくなっています。

おそらく、最初はピンと来なくても、使っていくうちに徐々に理解していけると思います。

知っておくだけで編集効率がグッと上がる機能が色々とありますので、使い慣れてきたときに、またこの記事を読み返すのもいいでしょう。

まとめます。

まとめ

  • プロジェクト全体の制御は[リボン]。
  • 編集時に利用するパネルは[アクティビティ],[デザイナー],[プロパティ]。
  • 操作対象のファイルや値を管理するパネルは[データマネージャー]。
  • 実行時に確認するパネルは[出力],[エラーリスト]。
  • 作業をしやすいように、画面のレイアウトを調整する。

この記事で、何か1つでも新しい発見が得られたのなら、僕もうれしいです。

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