StudioXのアクティビティ

UiPath StudioXのPowerPointアクティビティ【オブジェクト追加】

2022/03/20

オブジェクトとは、テキストや表、画像やグラフ、ファイルなどのことを指します。

PowerPointには、これらオブジェクトを、スライドの中に差し込むことが出来ますね。

StudioXでは、オブジェクトの中で代表的なものを、アクティビティで追加出来るよう用意されています。

ここでは、以下のアクティビティについて解説します。

記事編集時のStudioX - ver2021.10.5

オブジェクト追加のアクティビティ

  • スライドにテキストを追加
  • スライドにデータテーブルを追加
  • スライドに画像/ビデオを追加
  • スライドにファイルを追加

コンテンツプレースホルダーとは

この記事で紹介するアクティビティには、"コンテンツ プレースホルダー"という項目が登場します。

聞き慣れない人のために、補足知識として説明しておきましょう。

"コンテンツ プレースホルダー"とは、PowerPointスライド内の、テキストや図・グラフなどを挿入する枠(エリア)のことです。

PowerPointのには、複数種類のプレースホルダーがあり、そのひとつにコンテンツプレースホルダーがあります。

プレースホルダー名の確認

プレースホルダーには、自動で名前が設定されています。

[ホーム]-[選択]-[オブジェクトの選択と表示]をクリックしてください。

すると、[選択]メニューが表示され、各プレースホルダーの名前が表示されました。

[選択]メニューで、プレースホルダー名を自分の好きな名前にカスタマイズすることもできます。

StudioXのプレースホルダー名が変わる!?

ver2021.10.5での表示ですが、PowerPointのファイルを開いた状態と閉じた状態で、プレースホルダー名が変わるようです。

PowerPointを開いた状態
PowerPointを閉じた状態

PowerPointを開いていると、StudioX上では英語表記、閉じていると日本語表記になります。

特に大きな影響はないものの、僕もちょっと気になったので調べてみたら、そういうことでした。

プレースホルダー名を編集していれば、StudioX上も編集した名前に変わります。

スライドにテキストを追加

プレースホルダーにテキストを挿入します。(ガイドはこちら)

スライド内のプレースホルダーに、テキストを追加します。

ここでは、以下の項目について解説します。

  • プレゼンテーション
  • スライド番号
  • コンテンツ プレースホルダー
  • 追加するテキスト

プレゼンテーション

テキストを追加する対象の、リソースを指定します。

リソース内にアクティビティを追加すれば自動的に選択されるため、特に意識する必要はありません。

スライド番号

テキストを追加するプレースホルダーが設置されている、スライドを指定します。

スライドを指定すると、[スライド番号]のテキストボックスには数字が表示されていますね。

つまり、[スライド番号]の[+]-[数]で直接スライド番号を指定することも可能です。

コンテンツ プレースホルダー

テキストを追加するプレースホルダーを指定します。

[コンテンツプレースホルダー]の[+]-[プレゼンテーション]-[スライド]から、[プレースホルダー名]を選択してください。

なお、[スライド番号]で指定したスライドがメニューの一番上に表示されますので、スライド数が多くても心配ありません。

追加するテキスト

プレースホルダーに追記する、テキストを指定します。

スライドにデータテーブルを追加

プレゼンテーション内にデータテーブルを挿入します。空のプレースホルダーまたは以前のデータテーブルを置換します。(ガイドはこちら)

予め用意したデータテーブルを、スライド内のプレースホルダーに表として追加します。

ここでは、以下の項目について解説します。

  • プレゼンテーション
  • スライド番号
  • コンテンツ プレースホルダー
  • 追加する表
  • ソースのヘッダーを除外
  • 動作
    • 上書きを開始する列
    • 上書きを開始する行

予めプレースホルダーに表を追加しておきましょう

このアクティビティを使って表追加すると、期待どおりスライドに反映されないことが多いです。

厳密に言えば、正しい動作をしていると言えるのですが、どんな動きになるのか頭で考えるには、組み合わせが複雑すぎるんですよね。

そこで、表を追加するプレースホルダーには、予め表を追加しておくことをおススメします。

ヘッダーありの表であれば、[タイトル行]をチェックONにした状態で作成してください。

ヘッダー無の場合は、[タイトル行]をチェックOFFにし、表には1行のダミーを追加しておきましょう。

プレゼンテーション

表を追加する対象の、リソースを指定します。

リソース内にアクティビティを追加すれば自動的に選択されるため、特に意識する必要はありません。

スライド番号

表を追加するプレースホルダーが設置されている、スライドを指定します。

[スライド番号]の[+]-[数]で、直接スライド番号を指定することも可能です。

コンテンツ プレースホルダー

表を追加するプレースホルダーを指定します。

[コンテンツプレースホルダー]の[+]-[プレゼンテーション]-[スライド]から、[プレースホルダー名]を選択してください。

なお、[スライド番号]で指定したスライドがメニューの一番上に表示されます。

追加する表

プレースホルダーに、表として追加するデータテーブルを指定します。

追加出来る表には、Excelの表・範囲・シートと、データテーブル型の2種類があります。

Excelの表・範囲・シートは、Excelリソース内から指定します。

以下は、Excelから表(=テーブル)を指定した場合の例です。

もうひとつはデータテーブルですが、データテーブルを生成できるのは以下3つのアクティビティですね。

出力がデータテーブル型のアクティビティ

以降の解説では、"SampleDt"の名前でデータテーブルが予め用意されているものとします。

ソースのヘッダーを除外

まず、"ソースのヘッダー"とは、データテーブルのタイトル行を意味します。

ここで注意点がひとつ。

データテーブルを生成するアクティビティには、先頭行をヘッダーとするかどうかのチェックボックスがあります。

このとき、データテーブルの先頭行のチェックOFFにしている場合、[ソースのヘッダーを除外]はチェックOFFにしてください。

チェックONにすると、正常に動作しない場合があります。

動作

追加先のプレースホルダーに対し、データテーブルをどのように追加するか指定します。

[動作]は、3つの中から選択します。

新しい表を作成

プレースホルダーへ、新しく表を追加します。

プレースホルダーに既に表が存在する場合、上書きされます。

なお、表にヘッダーが設定されるかどうかは、データテーブルのヘッダーのチェックON/OFFに依存します。

[ソースのヘッダーを除外]のチェックON/OFFは、ヘッダーには影響しません。

データを追加

スライド内の表の最終行に、データを追加します。

プレースホルダーに表が存在しない場合、[新しい表を作成]と同じ動作になります。

既存データを上書き

プレースホルダー内の、表のデータを書き換えます。

ヘッダーの有無は、プレースホルダー内の表に従います。

また、列数もプレースホルダー内の表から増減することはありません。

行は増えるけど列は増やせない、ということですね。
おぐし

プレースホルダーに表が存在しない場合、[新しい表を作成]と同じ動作になります。

上書きを開始する列

プレースホルダー内の表について、何列目からデータテーブルを上書きするか、指定します。

初期値は1です。

上書きを開始する行

プレースホルダー内の表の、何行目から上書きするか、指定します。

初期値は0です。

ヘッダー行を、0として数えてください。

なお、プレースホルダーの表より大きい行数を指定すると、エラーになります。

スライドに画像/ビデオを追加

プレースホルダーを同じ名前を持つメディア要素に置換します。(ガイドはこちら)

スライド内のプレースホルダーに、画像や動画、音声を追加、または置換します。

ここでは、以下の項目について解説します。

  • プレゼンテーション
  • スライド番号
  • コンテンツプレースホルダー
  • 画像/ビデオファイル
  • [上]と[左]と[項目の幅]と[項目の高さ]

メディア追加後のサイズ

各項目の解説の前に、[スライドに画像/ビデオを追加]アクションで追加した後のサイズがどうなるのか、説明しておきましょう。

画像を追加した場合と、動画・音声を追加した場合で、サイズが少し異なります。

画像を追加

プレースホルダーに追加した場合

まず、プレースホルダーには、いくつか種類があります。

  • コンテンツプレースホルダー
  • 図プレースホルダー
  • タイトル/サブタイトルプレースホルダー
  • テキストプレースホルダー

このうち、画像を枠内に綺麗に表示出来るのは、コンテンツプレースホルダーのみです。

また、アクティビティのプロパティで、追加する位置や画像のサイズを指定できるのですが、これらの指定は無視されるので、注意してください。

なお、プレースホルダーの枠より大きな画像を追加しようとした場合、枠内に納まるよう自動調整されます。

プレースホルダーへ画像を追加

  • 正常に動作するのは"コンテンツプレースホルダー"
  • 位置やサイズを指定するアクティビティの項目は反映されない
  • サイズを自動調整してプレースホルダーの中央に配置される

 

既にある画像を置換した場合

既に、スライド内に画像が追加されているとしましょう。

この画像を指定して、新しい画像を追加する(置き換える)と、新しい画像の位置やサイズは、元の画像と同じになります

元の画像の横幅が広いので、画像が少し不格好になっていますね。

また、アクティビティのプロパティ[上]と[左]で、追加する位置を変更できます。

同様に、アクティビティのプロパティ[項目の幅]と[項目の高さ]で、画像のサイズを変更できます。

画像を置き換える

  • 指定した元の画像の、位置とサイズに調整される
  • [上]と[左]で、追加する位置を変更できる
  • [項目の幅]と[項目の高さ]で画像のサイズを変更できる

動画・音声のサイズ

プレースホルダーに動画・音声を追加すると、そのプレースホルダーの枠のサイズに広がります。

プレースホルダーではなく、画像を指定した場合も、その画像の位置とサイズに調整されます。

上のアイコンは、音声を追加した時のアイコンですが、流石に大きすぎですよね。

ただ、[上]と[左]で追加する位置を、[項目の幅]と[項目の高さ]でサイズを変更できますので、これらを使って調整するといいでしょう。

元のプレースホルダー・画像を適切なサイズに変更しておく方法もアリですね。

画像を置き換える

  • 指定したプレースホルダー・画像の、位置とサイズに調整される
  • [上]と[左]で、追加する位置を変更できる
  • [項目の幅]と[項目の高さ]で画像のサイズを変更できる

サイズや位置の値の計算

PowerPointは、長さの単位が"cm"なんですが、StudioXは"ポイント"という単位です。

そのため、StudioXで値を入力する時に、長さを変換する必要があるわけですが、計算式は以下のようになります。

ポイント = Xcm × 72 ÷ 2.54

ちなみに、PowerPointのスライドの画面サイズは以下のとおりです。

ヨコ×タテ
(ポイント)
ヨコ×タテ
(cm)
ワイド画面(16:9)(既定) 960×540 33.87×19.05
標準(4:3) 720×540 25.40×19.05

プレゼンテーション

画像や動画、音楽を追加する対象の、リソースを指定します。

リソース内にアクティビティを追加すれば自動的に選択されるため、特に意識する必要はありません。

スライド番号

画像や動画、音楽を追加するプレースホルダーが設置されている、スライドを指定します。

[スライド番号]の[+]-[数]で、直接スライド番号を指定することも可能です。

コンテンツ プレースホルダー

画像や動画、音楽を追加するプレースホルダー、または既に貼り付けられている画像を指定します。

[コンテンツプレースホルダー]の[+]-[プレゼンテーション]-[スライド]から、[プレースホルダー名(または画像名)]を選択してください。

なお、[スライド番号]で指定したスライドがメニューの一番上に表示されます。

画像を指定する時、PowerPointを閉じた状態でないと[+]メニューに表示されないのでご注意を。

画像/ビデオファイル

プレースホルダーに差し込むメディアを指定します。

画像、動画、音声が指定可能です。

それぞれの、対応しているファイル形式は以下のとおり。

画像 *.jpg, *.jpeg, *.png, *.gif, *.bmp
動画 *.wmv, *.avi, *.mp4, *.m4v, *.mov, *.mpg, *.mpeg
音声 *.wma, *.wav, *mp3

主要なファイル形式は揃っていますね。

[上]と[左]と[項目の幅]と[項目の高さ]

画像や動画、音楽をスライドのどの位置に、どのサイズで追加するか指定します。

[上]と[左]で追加する位置を、[項目の幅]と[項目の高さ]で画像のサイズを調整します。

スライド全体のサイズは、ワイド画面(既定)の場合、高さ540ポイント、幅960ポイントです。

スライドにファイルを追加

ディスク上のファイルをスライドへ挿入し、アイコンとして表示します。(ガイドはこちら)

PowerPointのスライドに、ファイルを埋め込みます。

プレースホルダーを指定して埋め込んだ後は、プレースホルダーの中央にアイコンが表示されます。

どんなファイルでも埋め込み可能で、例えばPDFファイルを追加すると、以下のようになりますね。追加後のアイコンが小さいので、拡大表示しました。

ここでは、以下の項目について解説します。

  • プレゼンテーション
  • スライド番号
  • コンテンツプレースホルダー
  • 追加するファイル
  • アイコンラベル

プレゼンテーション

ファイルを追加する対象の、リソースを指定します。

リソース内にアクティビティを追加すれば自動的に選択されるため、特に意識する必要はありません。

スライド番号

ファイルを追加するプレースホルダーが設置されている、スライドを指定します。

[スライド番号]の[+]-[数]で、直接スライド番号を指定することも可能です。

コンテンツプレースホルダー

ファイルを追加する先の、プレースホルダーを指定します。

[コンテンツプレースホルダー]の[+]-[プレゼンテーション]-[スライド]から、[プレースホルダー名]を選択してください。

なお、[スライド番号]で指定したスライドがメニューの一番上に表示されます。

追加するファイル

追加するファイルのパスを指定します。

特殊なファイルでない限り、どんなものでも指定できます。
おぐし

アイコンラベル

ファイル追加後のラベル名を変更します。

[アイコンラベル]を指定しない場合は、ファイル名がそのまま適用されます。

ファイル名以外に変更したい場合は、そのテキストを指定しましょう。

ラベル指定あり ラベル指定なし

ファイルの種類によってはラベルが適用されない

いくつかファイルを追加してみたところ、ラベルが適用されないものがありました。

一部ですが、適用できたものと出来ないものを確認しましたので、以下に掲載します。

ラベルが適用される ラベルが適用されない
*.csv (CSV)
*.docx (Word)
*.exe (実行ファイル)
*.jpg (JPEG画像)
*.pdf (PDF)
*.png (PING画像)
*.pptx (PowerPoint)
*.xlsx (Excel)
*.mp3 (音声)
*mp4 (動画)
*.msg (メール)
*.txt (テキスト)

ExcelやWordなどのOffice系や、画像ファイルはOKなようですね。

ラベルが適用されないのは、音声ファイル、動画ファイル、メール、テキストファイルなどでした。

なんとなくの傾向はあるようです。

まとめ

公式のヘルプでは説明されていない部分が、結構多かったのではないでしょうか。

実際にアクティビティを使おうとして、思ったように動作しないとき、きっとこの記事が参考になるでしょう。

まとめます。

まとめ

  • PowerPointを開いたときと閉じたときでプレースホルダー名が異なる。
  • データテーブルはヘッダーの有無でアクティビティの設定を変える必要がある。
  • [スライドに画像/ビデオを追加]で画像を追加するときは、"コンテンツプレースホルダー"を指定する。
  • [スライドにファイルを追加]では、[アイコンラベル]が反映されにファイルの種類がある。

この記事で、何か1つでも新しい発見が得られたのなら、僕もうれしいです。

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