オブジェクトとは、テキストや表、画像やグラフ、ファイルなどのことを指します。
PowerPointには、これらオブジェクトを、スライドの中に差し込むことが出来ますね。
StudioXでは、オブジェクトの中で代表的なものを、アクティビティで追加出来るよう用意されています。
ここでは、以下のアクティビティについて解説します。
オブジェクト追加のアクティビティ
- スライドにテキストを追加
- スライドにデータテーブルを追加
- スライドに画像/ビデオを追加
- スライドにファイルを追加
コンテンツプレースホルダーとは
この記事で紹介するアクティビティには、"コンテンツ プレースホルダー"という項目が登場します。
聞き慣れない人のために、補足知識として説明しておきましょう。
"コンテンツ プレースホルダー"とは、PowerPointスライド内の、テキストや図・グラフなどを挿入する枠(エリア)のことです。
PowerPointのには、複数種類のプレースホルダーがあり、そのひとつにコンテンツプレースホルダーがあります。
プレースホルダー名の確認
プレースホルダーには、自動で名前が設定されています。
[ホーム]-[選択]-[オブジェクトの選択と表示]をクリックしてください。
すると、[選択]メニューが表示され、各プレースホルダーの名前が表示されました。
[選択]メニューで、プレースホルダー名を自分の好きな名前にカスタマイズすることもできます。
StudioXのプレースホルダー名が変わる!?
ver2021.10.5での表示ですが、PowerPointのファイルを開いた状態と閉じた状態で、プレースホルダー名が変わるようです。
PowerPointを開いた状態 |
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PowerPointを閉じた状態 |
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PowerPointを開いていると、StudioX上では英語表記、閉じていると日本語表記になります。
特に大きな影響はないものの、僕もちょっと気になったので調べてみたら、そういうことでした。
プレースホルダー名を編集していれば、StudioX上も編集した名前に変わります。
スライドにテキストを追加
プレースホルダーにテキストを挿入します。(ガイドはこちら)
スライド内のプレースホルダーに、テキストを追加します。
ここでは、以下の項目について解説します。
- プレゼンテーション
- スライド番号
- コンテンツ プレースホルダー
- 追加するテキスト
プレゼンテーション
テキストを追加する対象の、リソースを指定します。
リソース内にアクティビティを追加すれば自動的に選択されるため、特に意識する必要はありません。
スライド番号
テキストを追加するプレースホルダーが設置されている、スライドを指定します。
スライドを指定すると、[スライド番号]のテキストボックスには数字が表示されていますね。
つまり、[スライド番号]の[+]-[数]で直接スライド番号を指定することも可能です。
コンテンツ プレースホルダー
テキストを追加するプレースホルダーを指定します。
[コンテンツプレースホルダー]の[+]-[プレゼンテーション]-[スライド]から、[プレースホルダー名]を選択してください。
なお、[スライド番号]で指定したスライドがメニューの一番上に表示されますので、スライド数が多くても心配ありません。
追加するテキスト
プレースホルダーに追記する、テキストを指定します。
スライドにデータテーブルを追加
プレゼンテーション内にデータテーブルを挿入します。空のプレースホルダーまたは以前のデータテーブルを置換します。(ガイドはこちら)
予め用意したデータテーブルを、スライド内のプレースホルダーに表として追加します。
ここでは、以下の項目について解説します。
- プレゼンテーション
- スライド番号
- コンテンツ プレースホルダー
- 追加する表
- ソースのヘッダーを除外
- 動作
- 上書きを開始する列
- 上書きを開始する行
予めプレースホルダーに表を追加しておきましょう
このアクティビティを使って表追加すると、期待どおりスライドに反映されないことが多いです。
厳密に言えば、正しい動作をしていると言えるのですが、どんな動きになるのか頭で考えるには、組み合わせが複雑すぎるんですよね。
そこで、表を追加するプレースホルダーには、予め表を追加しておくことをおススメします。
ヘッダーありの表であれば、[タイトル行]をチェックONにした状態で作成してください。
ヘッダー無の場合は、[タイトル行]をチェックOFFにし、表には1行のダミーを追加しておきましょう。
プレゼンテーション
表を追加する対象の、リソースを指定します。
リソース内にアクティビティを追加すれば自動的に選択されるため、特に意識する必要はありません。
スライド番号
表を追加するプレースホルダーが設置されている、スライドを指定します。
[スライド番号]の[+]-[数]で、直接スライド番号を指定することも可能です。
コンテンツ プレースホルダー
表を追加するプレースホルダーを指定します。
[コンテンツプレースホルダー]の[+]-[プレゼンテーション]-[スライド]から、[プレースホルダー名]を選択してください。
なお、[スライド番号]で指定したスライドがメニューの一番上に表示されます。
追加する表
プレースホルダーに、表として追加するデータテーブルを指定します。
追加出来る表には、Excelの表・範囲・シートと、データテーブル型の2種類があります。
Excelの表・範囲・シートは、Excelリソース内から指定します。
以下は、Excelから表(=テーブル)を指定した場合の例です。
もうひとつはデータテーブルですが、データテーブルを生成できるのは以下3つのアクティビティですね。
出力がデータテーブル型のアクティビティ
以降の解説では、"SampleDt"の名前でデータテーブルが予め用意されているものとします。
![]() |
![]() |
ソースのヘッダーを除外
まず、"ソースのヘッダー"とは、データテーブルのタイトル行を意味します。
ここで注意点がひとつ。
データテーブルを生成するアクティビティには、先頭行をヘッダーとするかどうかのチェックボックスがあります。
このとき、データテーブルの先頭行のチェックOFFにしている場合、[ソースのヘッダーを除外]はチェックOFFにしてください。
チェックONにすると、正常に動作しない場合があります。
動作
追加先のプレースホルダーに対し、データテーブルをどのように追加するか指定します。
[動作]は、3つの中から選択します。
新しい表を作成
プレースホルダーへ、新しく表を追加します。
プレースホルダーに既に表が存在する場合、上書きされます。
なお、表にヘッダーが設定されるかどうかは、データテーブルのヘッダーのチェックON/OFFに依存します。
[ソースのヘッダーを除外]のチェックON/OFFは、ヘッダーには影響しません。
データを追加
スライド内の表の最終行に、データを追加します。
プレースホルダーに表が存在しない場合、[新しい表を作成]と同じ動作になります。
既存データを上書き
プレースホルダー内の、表のデータを書き換えます。
ヘッダーの有無は、プレースホルダー内の表に従います。
また、列数もプレースホルダー内の表から増減することはありません。

プレースホルダーに表が存在しない場合、[新しい表を作成]と同じ動作になります。
上書きを開始する列
プレースホルダー内の表について、何列目からデータテーブルを上書きするか、指定します。
初期値は1です。
上書きを開始する行
プレースホルダー内の表の、何行目から上書きするか、指定します。
初期値は0です。
ヘッダー行を、0として数えてください。
なお、プレースホルダーの表より大きい行数を指定すると、エラーになります。
スライドに画像/ビデオを追加
プレースホルダーを同じ名前を持つメディア要素に置換します。(ガイドはこちら)
スライド内のプレースホルダーに、画像や動画、音声を追加、または置換します。
ここでは、以下の項目について解説します。
- プレゼンテーション
- スライド番号
- コンテンツプレースホルダー
- 画像/ビデオファイル
- [上]と[左]と[項目の幅]と[項目の高さ]
メディア追加後のサイズ
各項目の解説の前に、[スライドに画像/ビデオを追加]アクションで追加した後のサイズがどうなるのか、説明しておきましょう。
画像を追加した場合と、動画・音声を追加した場合で、サイズが少し異なります。
画像を追加
プレースホルダーに追加した場合
まず、プレースホルダーには、いくつか種類があります。
- コンテンツプレースホルダー
- 図プレースホルダー
- タイトル/サブタイトルプレースホルダー
- テキストプレースホルダー
このうち、画像を枠内に綺麗に表示出来るのは、コンテンツプレースホルダーのみです。
また、アクティビティのプロパティで、追加する位置や画像のサイズを指定できるのですが、これらの指定は無視されるので、注意してください。
なお、プレースホルダーの枠より大きな画像を追加しようとした場合、枠内に納まるよう自動調整されます。
プレースホルダーへ画像を追加
- 正常に動作するのは"コンテンツプレースホルダー"
- 位置やサイズを指定するアクティビティの項目は反映されない
- サイズを自動調整してプレースホルダーの中央に配置される
既にある画像を置換した場合
既に、スライド内に画像が追加されているとしましょう。
この画像を指定して、新しい画像を追加する(置き換える)と、新しい画像の位置やサイズは、元の画像と同じになります。
元の画像の横幅が広いので、画像が少し不格好になっていますね。
また、アクティビティのプロパティ[上]と[左]で、追加する位置を変更できます。
同様に、アクティビティのプロパティ[項目の幅]と[項目の高さ]で、画像のサイズを変更できます。
画像を置き換える
- 指定した元の画像の、位置とサイズに調整される
- [上]と[左]で、追加する位置を変更できる
- [項目の幅]と[項目の高さ]で画像のサイズを変更できる
動画・音声のサイズ
プレースホルダーに動画・音声を追加すると、そのプレースホルダーの枠のサイズに広がります。
プレースホルダーではなく、画像を指定した場合も、その画像の位置とサイズに調整されます。
上のアイコンは、音声を追加した時のアイコンですが、流石に大きすぎですよね。
ただ、[上]と[左]で追加する位置を、[項目の幅]と[項目の高さ]でサイズを変更できますので、これらを使って調整するといいでしょう。
元のプレースホルダー・画像を適切なサイズに変更しておく方法もアリですね。
画像を置き換える
- 指定したプレースホルダー・画像の、位置とサイズに調整される
- [上]と[左]で、追加する位置を変更できる
- [項目の幅]と[項目の高さ]で画像のサイズを変更できる
サイズや位置の値の計算
PowerPointは、長さの単位が"cm"なんですが、StudioXは"ポイント"という単位です。
そのため、StudioXで値を入力する時に、長さを変換する必要があるわけですが、計算式は以下のようになります。
ポイント = Xcm × 72 ÷ 2.54
ちなみに、PowerPointのスライドの画面サイズは以下のとおりです。
ヨコ×タテ (ポイント) |
ヨコ×タテ (cm) |
|
ワイド画面(16:9)(既定) | 960×540 | 33.87×19.05 |
標準(4:3) | 720×540 | 25.40×19.05 |
プレゼンテーション
画像や動画、音楽を追加する対象の、リソースを指定します。
リソース内にアクティビティを追加すれば自動的に選択されるため、特に意識する必要はありません。
スライド番号
画像や動画、音楽を追加するプレースホルダーが設置されている、スライドを指定します。
[スライド番号]の[+]-[数]で、直接スライド番号を指定することも可能です。
コンテンツ プレースホルダー
画像や動画、音楽を追加するプレースホルダー、または既に貼り付けられている画像を指定します。
[コンテンツプレースホルダー]の[+]-[プレゼンテーション]-[スライド]から、[プレースホルダー名(または画像名)]を選択してください。
なお、[スライド番号]で指定したスライドがメニューの一番上に表示されます。
画像を指定する時、PowerPointを閉じた状態でないと[+]メニューに表示されないのでご注意を。
画像/ビデオファイル
プレースホルダーに差し込むメディアを指定します。
画像、動画、音声が指定可能です。
それぞれの、対応しているファイル形式は以下のとおり。
画像 | *.jpg, *.jpeg, *.png, *.gif, *.bmp |
動画 | *.wmv, *.avi, *.mp4, *.m4v, *.mov, *.mpg, *.mpeg |
音声 | *.wma, *.wav, *mp3 |
主要なファイル形式は揃っていますね。
[上]と[左]と[項目の幅]と[項目の高さ]
画像や動画、音楽をスライドのどの位置に、どのサイズで追加するか指定します。
[上]と[左]で追加する位置を、[項目の幅]と[項目の高さ]で画像のサイズを調整します。
スライド全体のサイズは、ワイド画面(既定)の場合、高さ540ポイント、幅960ポイントです。
スライドにファイルを追加
ディスク上のファイルをスライドへ挿入し、アイコンとして表示します。(ガイドはこちら)
PowerPointのスライドに、ファイルを埋め込みます。
プレースホルダーを指定して埋め込んだ後は、プレースホルダーの中央にアイコンが表示されます。
どんなファイルでも埋め込み可能で、例えばPDFファイルを追加すると、以下のようになりますね。追加後のアイコンが小さいので、拡大表示しました。
ここでは、以下の項目について解説します。
- プレゼンテーション
- スライド番号
- コンテンツプレースホルダー
- 追加するファイル
- アイコンラベル
プレゼンテーション
ファイルを追加する対象の、リソースを指定します。
リソース内にアクティビティを追加すれば自動的に選択されるため、特に意識する必要はありません。
スライド番号
ファイルを追加するプレースホルダーが設置されている、スライドを指定します。
[スライド番号]の[+]-[数]で、直接スライド番号を指定することも可能です。
コンテンツプレースホルダー
ファイルを追加する先の、プレースホルダーを指定します。
[コンテンツプレースホルダー]の[+]-[プレゼンテーション]-[スライド]から、[プレースホルダー名]を選択してください。
なお、[スライド番号]で指定したスライドがメニューの一番上に表示されます。
追加するファイル
追加するファイルのパスを指定します。

アイコンラベル
ファイル追加後のラベル名を変更します。
[アイコンラベル]を指定しない場合は、ファイル名がそのまま適用されます。
ファイル名以外に変更したい場合は、そのテキストを指定しましょう。
ラベル指定あり | ラベル指定なし |
![]() |
![]() |
ファイルの種類によってはラベルが適用されない
いくつかファイルを追加してみたところ、ラベルが適用されないものがありました。
一部ですが、適用できたものと出来ないものを確認しましたので、以下に掲載します。
ラベルが適用される | ラベルが適用されない |
*.csv (CSV) *.docx (Word) *.exe (実行ファイル) *.jpg (JPEG画像) *.pdf (PDF) *.png (PING画像) *.pptx (PowerPoint) *.xlsx (Excel) |
*.mp3 (音声) *mp4 (動画) *.msg (メール) *.txt (テキスト) |
ExcelやWordなどのOffice系や、画像ファイルはOKなようですね。
ラベルが適用されないのは、音声ファイル、動画ファイル、メール、テキストファイルなどでした。
なんとなくの傾向はあるようです。
まとめ
公式のヘルプでは説明されていない部分が、結構多かったのではないでしょうか。
実際にアクティビティを使おうとして、思ったように動作しないとき、きっとこの記事が参考になるでしょう。
まとめます。
まとめ
- PowerPointを開いたときと閉じたときでプレースホルダー名が異なる。
- データテーブルはヘッダーの有無でアクティビティの設定を変える必要がある。
- [スライドに画像/ビデオを追加]で画像を追加するときは、"コンテンツプレースホルダー"を指定する。
- [スライドにファイルを追加]では、[アイコンラベル]が反映されにファイルの種類がある。
この記事で、何か1つでも新しい発見が得られたのなら、僕もうれしいです。