個人であれ会社であれ、今もなお欠かせないのがメールコミュニケーション。
メールを起点として行う作業なんて、本当に山ほどありますよね。
StudioXでは、メールクライアントのOutlookとGmailの自動化処理に対応しています。
なお、Outlook365の接続について、組織アカウントを持たないと操作できないため、調べられませんでした。

ただ、個人で使う分については、情報を網羅できているはずです。
この記事では、以下のアクティビティについて解説します。
リソースのアクティビティ
- Gmailを使用
- デスクトップ版Outlookアプリを使用
- Outlook365を使用
もくじ
Gmailを使用
自動化するGmailアカウントを選択します。(ガイドはこちら)
Gmailに登録されているアカウントを指定し、StudioXで制御できるようにします。
メールを操作する場合は、必ずメールのリソース内にアクティビティを追加する必要があります。
詳しくは、リソースとアクションの組み立てルールを参考にしてみてください。
ここでは、以下の項目について解説します。
- アカウント
- 参照名
- タイムアウト
- 接続を使用
アカウント
操作するGmailアカウントを指定します。
Gmailアカウントを指定するには、4つの方法が用意されています。
【UiPath内でアカウントを指定】
- アカウント選択時に指定
- 連携サービスを利用
【GoogleAPIのクライアントIDを使った指定】
- OrchestratorにID/シークレットを登録
- アカウント選択時にID/シークレットを入力
個人でGoogleアカウントを使うのであれば、1つ目の手順(アカウント選択時に指定)を理解していれば問題ないでしょう。
アカウント選択時に指定(UiPath内でアカウントを指定)
ほとんどの人がこの方法で十分で、かつ、最もシンプルな手順です。
アカウントを指定する流れは以下のとおりです。
参照名
[参照名]でリソースに名前を付けます。
ここで指定した参照名で、指定したメールアカウントの各情報にアクセスします。
初期値は"Gmail"ですが、必要に応じて分かりやすい参照名に変更するといいでしょう。
タイムアウト
[アカウント]の選択で、Gmailアカウントの認証手続きを指定時間内に完了させる必要があります。
初期値は90秒です。
90秒以内に完了しないと、認証エラーになって中断します。
具体的には、[新しいアカウントを追加]をクリックしてから、Googleの承認手続きが指定した時間を超えると、
以下のようなエラーメッセージが表示され、認証手続きが中断されます。
認証手続きまでの時間が「ちょっと短いな」と思ったら、秒数を大きくするといいですね。
接続を使用
チェックONにすることで、予め連携サービスで登録したアカウントを使用します。
メールアカウントを、Automation Cloudの連携サービスを使って接続するわけですが、ただ残念なことにGmailが連携サービスにありません。
今のところ、Gmailの連携サービスは使えません。
Spreadsheetで連携サービスを利用してみる
もし連携サービスにGmailが登場したら、どんな手順になるのでしょうか。
ちょっと気になったので、代わりにGoogleSpreadsheetをサンプルに接続方法を試してみました。
UiPathパッケージの追加(準備)
試すための準備として、GoogleSpreadsheetを使えるようにするため、Gsuiteパッケージをインストールする必要があります。
連携サービスを登録
Orchestratorで、連携サービスを登録します。
これで、StudioXから接続する準備が整いました。
[接続を使用]をチェックON
あとは、[接続を使用]をチェックONにすれば、Spreadsheetと連携できます。
チェックONにすると、[アカウント]が"既定"へ切り替わります。
試しに、[シートを参照]をクリックしてみましょう。
Google Drive上のSheetを参照出来れば、無事成功です。

GoogleAPIのクライアントIDを使った指定
アカウントを指定するもうひとつ方法が、GoogleAPIのクライアントIDを使った方法です。
クライアントIDとクライアントシークレットを取得して、それをStudioXに登録します。
これから解説する手順は不完全ですが、それでも全容を掴むことは出来るでしょう。
クライアントIDを使うための準備
クライアントIDを取得するためには、GoogleAPIを有効化する必要があります。
Google Cloud Consoleを開いて、APIを有効化し、クライアントIDするには、以下の手順が必要です。
クライアントID取得までの流れ
- プロジェクトを作成
- APIを有効化
- 同意画面設定
- クライアントID/シークレットを作成
具体的に見ていきましょう。
1.プロジェクトを作成
まずは、Google Cloud Consoleを開いてください。
タイトルには、"Google Cloud Platform"と表記されています。
最初にすることは、プロジェクトの作成です。
2.APIを有効化
ライブラリを見ると、100を超える様々なAPIが提供されています。
その中から必要なAPIを有効化するわけですが、今回はGmailとGoogleカレンダーですね。
では、"Gmail API"と"Google Calendar API"を有効化しましょう。
3.同意画面設定
続いて、Gmail、Googleカレンダーの権限(制御範囲)を設定しますが、この権限の許可を得るためには、Googleの審査が必要となります。
審査を通過しないと、権限が付与されたクライアントIDとクライアントシークレットを手に入れられません。(権限のないIDは取得可能です。)
中途半端ではあるものの、ここでは審査申請は行わず、「同意画面の構成」までの解説とします。
これで設定は完了ですが、もうひとつ、公開ステータスを切り替える必要があります。
4.クライアントID/シークレットを作成
最後に、"クライアントID"と"クライアントシークレット"を作成する必要があります。
このIDとシークレットをStudioXに登録することで、Gmailの制御が可能になります。
作成の手順は、以下のとおり。
作成されたクライアントID/シークレットを控えておきましょう。
OrchestratorにID/シークレットを登録
クライアントIDと、クライアントシークレットが作成出来たら、Orchestratorに情報を登録します。
これについては、ガイドのOrchestratorに~(長いので省略)で解説されています。
具体的な登録手順は、以下のとおり。
Orchestratorにアセットを登録したら、StudioXに戻ってください。
あとは、アクティビティでOrchestratorのクライアントID/シークレットを自動的に読み込んでくれます。
アカウント選択時にID/シークレットを入力
アクティビティに、直接クライアントID/シークレットを入力する方法です。
利用するためには、Google Workspaceに登録し、組織用アカウントを用意する必要があります。
ということで、解説を割愛しました。
デスクトップ版Outlookアプリを使用
自動化するOutlookアカウントを選択します。(ガイドはこちら)
Outlookに登録されているアカウントを指定し、StudioXで制御できるようにします。
メールを操作する場合は、必ずメールのリソース内にアクティビティを追加する必要があります。
詳しくは、リソースとアクションの組み立てルールを参考にしてみてください。
ここでは、[アカウント]と[参照名]について解説します。
アカウント
Outlookに登録されているメールアカウントを指定します。
StudioXが、Outlookに登録されたメールアカウントを読み取り、その中から選択できます。
Outlookに登録しているメールアカウントが1つであれば、[既定のメールアカウント]のままで問題ありません。
Outlookに複数のメールアカウントを設定している場合は、制御したい方を選択するといいでしょう。
なお、[既定のメールアカウント]で利用されるメールアドレスは、[Outlookのアカウント設定]にある、以下の項目で指定されたアカウントになります。
参照名
[参照名]でリソースに名前を付けます。
ここで指定した参照名で、指定したメールアカウントの各情報にアクセスします。
初期値は"Outlook"ですが、必要に応じて分かりやすい参照名に変更するといいでしょう。
Outlook365を使用
自動化するExchange365アカウントを選択します。(ガイドはこちら)
ここでのOutlook365は、組織で利用するメールアカウントに限られます。
なお、Officeソフト「Microsoft365」を購入すれば、個人用のOutlook365が手に入りますが、この場合は[デスクトップ版Outlookアプリを使用]を利用してください。
組織用のメールアカウントを自由に触れる状況になく、確認出来ないので、解説はここまでとします。
まとめ
メールのリソースについて、内容が結構膨れてしまいました。
GoogleAPIについて調べ尽くしきれませんでしたが、ほとんど人にとっては使う機会がないでしょう。
StudioXにしては、随分とハードルが高い設定のような気もします。
まとめます。
まとめ
- Gmailの設定は、個人であればアカウント選択時に指定の手順で十分。
- Gmailの[接続を使用]は、現段階では使用不可。
- Microsoft365のOutlookは、デスクトップ版で接続する。
この記事で、何か1つでも新しい発見が得られたのなら、僕もうれしいです。