「RPAで処理を自動化したのだから、どうせなら処理が勝手に走るようにしたい!」そんな考えも浮かびますよね。
StudioXでは、自動で処理を起動させる仕組みを「Unattended」と呼びます。
UnAttendedの設定を構築すれば、起動すらも勝手にしてくれるようになるので、完全な自動化が実現します。
この記事では、
Unattendedを構築する方法を教えて。
こちらにお答えしていきます。
もくじ
Unattendedロボットによる自動化処理
最も単純な仕事と言えば、手順がマニュアル化されていて、人の判断を必要とせずその手順に従ってPCを操作するだけ、のような作業です。
今まで、自動化・効率化などをあまり意識してこなかったとすると、1日の仕事でそのような単純作業が沢山あるケースも多いはず。
特に、データの収集・転記・集計・チェック作業などの中には、単純作業なものも潜んでいるのではないでしょうか。
そして、さらに言えば、実行するタイミングが決まっていて、時間が来たら作業するだけのものがあれば、まさにUnattendedの出番です。
Unattendedが適切な処理
- 手順が決まっていて、それに従って作業するだけで済む。
- 定期的で、作業するタイミングが決まっている。
Unattended起動に必要な設定
Unattendedの場合、下記リンクで案内している準備に加え、さらに設定が必要です。
まずは、リンク内の手順に従って、準備の進めてください。
UiPath StudioXで完成した処理を実行1【実行の種類と準備】
準備ができたら、続いて以下の確認・設定を行います。
- 人にアクションを促す処理がないことを確認する
- Unattended実行するユーザーを設定する
- マシンにUnatetndedライセンスを割り当てる
- プロジェクトをパブリッシュ
- トリガーを登録する
- PCの設定(ロックを無効化)
以降、各項目の詳細を解説します。
人にアクションを促す処理がないことを確認する
StudioXのアクティビティの中には、人に判断を促す処理がありますよね。
特に、[入力ダイアログ]アクションは、必ずユーザーがすることになるため、ワークフローに追加されているとUnattendedには不向きです。
それから、処理が不安定で、自動化処理の途中でエラーで中断する場合も、当然ながら使用できません。
これらが解消したプロジェクトであることを、まずは確認しておきましょう。
Unattended実行するユーザーを設定する
PC上の、どのユーザー(Windowsアカウント)で実行するかを、Orchestrratorに指定する必要があります。
StudioXがインストールされている、Windowsアカウントとパスワードを用意しましょう。
なお、Windowsアカウントの確認方法は、こちらを参考にしてください。
ユーザーID(Windowsアカウント)の確認
標準ソフトのコマンドプロンプトを使用します。
環境によってはドメイン名も必要な場合があるので、こちらも控えておいてください。
パスワードの確認
Windowsにサインインする時のパスワードを使ってサインインしていない人は、多かもしれません。
もし忘れてしまっている場合は、パスワードを再設定しましょう。
手順については、Microsoftのリンクを紹介しておきます。
忘れてしまったMicrosoftアカウントのパスワードをリセットする
Orchestratorへサインイン
Unattendedの設定は、Orchestrator上で行いますので、まずはOrchestratorへサインインしましょう。
UiPath Assistant経由でサインインできます。
通知領域にアイコンがない場合は、スタートメニューからUiPath Assistantを起動してください。
Unattended実行するユーザーを設定
サインイン出来たら、自分のアカウント(サインインのユーザー)で、Unnattended実行出来るよう設定します。
「無人オートメーションの設定ページ」は設定項目が多いので、少し細かく説明します。
- "Unattendedロボットが~"をチェックONにします。
- "特定のWindowsユーザーアカウントで~"を選択します。
- "ドメイン\ユーザー名"は、前述のwhoamiコマンドで確認したものを入力します。
- この時、個人PCでドメインに参加していることは考えにくいので、「.\ユーザー名」と入力してください。(ピリオド+バックスラッシュ+ユーザー名)
会社などで使用しているPCの場合は、ドメイン参加している可能性があります。この時は、「ドメイン名\ユーザー名」と入力することになるはずです。 - "パスワード"は、PCログイン時のパスワードを入力します。
- "一度に1つの~"を、チェックONにします。
- 最後に、[更新]をクリックします。

マシンにUnattendedライセンスを割り当てる
続いては、マシン(正しくはマシンテンプレート)にUnattendライセンスを割り当てる手続きです。
Community Editionでは、Unattendedの実行ライセンスが1つ使用可能です。
使用可能なんですが、初期状態ではこのライセンスがマシンに付与されていません。
以下の手順を参考に、Unattendedの実行ライセンスを追加しましょう。
ここまでで、Orchestratorの環境設定は終わりです。
ネットワーク越しの制御というのは、本来難しいものです。
Orchestratorを使う事で、スムーズに構築できるのは素晴らしいですね。
それでも、一度つまづいてしまうとドツボにはまることも少なくありません。場合によっては、色々試行錯誤することになるでしょう。
プロジェクトをパブリッシュ
さて、Orchestratorの設定が出来たら、StudioXでプロジェクトをパブリッシュします。
パブリッシュすると、Orchestratorにプロジェクトが、プロセスとして登録されます。
自分で作ったもので構いませんが、特にまだプロジェクトがない場合は、下図のようにメッセージボックス1つでも構いません。
プロパティにある[次の経過後に自動で閉じる]で時間を指定すれば自動で閉じるので、こちらを設定しておきましょう。
作成したら、パブリッシュします。
パブリッシュしたプロジェクトがちゃんとあるか、Orchestrator画面を開いて確認してみましょう。
[Orchestrator]-[My Workspace]にある[プロセス]をクリックしてください。
すると、(プロセス)の一覧が表示され、先ほどパブリッシュしたプロジェクトが追加されていますね。
試しに、右側にある[ジョブを開始]→[開始]の順にクリックして、実行してみましょう。
無事実行されれば成功です。
トリガーを登録する
トリガーには、時間とキューの2種類があります。
「キュー」は、指定するデータが追加されると処理が走る仕組みです。
残念ながらキューはStudioXでは使用できないので、選択可能なのは「時間」のみとなります。
「時間」のトリガーは、時刻を設定して起動する方法です。
登録方法は以下のとおり。
[Orchestrator]-[My Workspace]-[トリガー]の[新しいトリガーを追加]をクリックします。
- [名前]には、トリガー名を入力します。自分がわかりやすい名前にしてください。
- [プロセス名]は、起動するプロセス名を選択します。
- 右側のエリア、[分],[時間],[日]などと並んでいるエリアで起動タイミングを指定します。
- 最後に[追加]をクリックして、トリガーの登録が完了します。
なお、項目に[カスタム]がありますが、こちらではcronの知識が必要です。
こちらのサイトは、情報がミニマムながらも、参考になる設定方法が多いので、わかりやすいのではないでしょうか。
PCの設定(ロックを無効化)
一定時間PCを放置すると、PCはロックしたり、スリープ状態になったりしますよね。
セキュリティや節電のためには必要な機能ですが、自動起動させるためには都合が悪い設定です。
なぜなら、Community Editionの場合、PCにロックがかかるとStudioXの処理が起動しなくなるためです。
そこで、電源の設定よりロックされないよう設定しましょう。
ロックを無効化
初期設定の場合、一定時間経過するとPCの画面が非表示になり、ロックがかかります。
これを、無効化する方法です。
これで、PCを放置して時間が経過しても、ロックされない設定になりました。

スクリーンセーバーを無効化
スクリーンセーバーも、ロック画面と同じ効果を持ちますが、最近はあまり有効化されていることは少ないようです。
もし有効化されている場合は、続けてスクリーンセーバーも無効化しましょう。
まとめ
設定箇所がわりと多めですが、それも一度設定を終えればそう難しくありません。
Unattendedの構築方法が分かると、「何か自動化できるものないかなぁ」と、探したくなるのは僕だけじゃないはず。
まとめます。
まとめ
- Unattendedを実行するためにはライセンスの付与が必要。
- StudioXで指定できるトリガーは時間のみ。
- Community Editionではロックの無効化を設定する。
この記事で、何か1つでも新しい発見が得られたのなら、僕もうれしいです。