Excelを操作する上で、基本中の基本ともいえるのが、セルの値編集。
セルの値には、実際の値と数式と2つありますが、読み取るアクティビティがそれぞれ用意されています。
また別のアクティビティではオートフィルが可能で、使えるようになると、StudioXの設計がスリムになりますね。
いずれも使用頻度の高いものばかりなので、しっかり覚えてしまいましょう。
この記事では、以下のアクティビティについて解説します。
セル操作のアクティビティ
- セルの値を読み込み
- セルの数式を読み込み
- セルに書き込み
- オートフィル
もくじ
セルの値を読み込み
スプレッドシートのセルの値を読み込みます。(ガイドはこちら)
Excelのセルの値を読み取ります。
ここでは、以下の項目について解説します。
- セル
- 保存先
- 書式テキストを取得
セル
値を取得したいセルを指定します。
Excelで、[名前の定義]を設定しているセルであれば、その名前(上図では"値段")を利用できます。
[名前の定義]が設定されていない場合は、[Excel内で示す]や[カスタム入力]で、直接セルを指定しましょう。
保存先
取得した値を、どこに記憶しておくか指定します。
書式テキストを取得
チェックONにすると、表示形式を反映した書式で記憶します。
サンプルに、取得するセルの値が"1352.32"、表示形式"$1,352.32"の場合で見てみましょう。
このとき、チェックONであれば、保存先には"$1,352.32"の形式で記憶します。
チェックOFFの場合は、"1352.32"の形になります。
チェックON | チェックOFF |
$1,352.32 | 1352.32 |
注意点ですが、チェックをONにすると、日付や数値であってもテキストとして認識します。
これはつまり、日付計算や四則演算ができなくなるということです。
もし、後続の処理で計算する場合は、チェックをOFFにしてください。
[書式テキストを取得]をチェックONにして保存した値は、四則演算ができません。
日付は、チェックONでも日付計算できる場合があります。ただし、一部の表示形式のみに限られます。
セルの数式を読み込み
スプレッドシートのセルの式を読み込みます。(ガイドはこちら)
数式バーに表示される式を読み取ります。
なお、セルが式になっていないと取得しないので、その点を注意してください。
ここでは、[セル]と[保存先]について解説します。
セル
取得したい数式が記述されているセルを指定します。
Excelで、[名前の定義]を設定しているセルであれば、その名前(上図では"日付")を利用できます。
[名前の定義]が設定されていない場合は、[Excel内で示す]や[カスタム入力]で、直接セルを指定しましょう。
保存先
取得した値を、どこに記憶するか指定します。
セルに書き込み
セル内にテキストまたは式を入力します。(ガイドはこちら)
セルに値、または式を入力します。
ここでは、以下の項目について解説します。
- 書き込む内容
- 書き込む場所
- 行を自動インクリメント
書き込む内容
セルに書き込む内容を指定します。
数式を入力することも可能で、"="から始まる式を記入すれば、Excelでは数式として代入されます。
値を書き込む | 数式を書き込む |
![]() |
![]() |
書き込む場所
書き込むセルの位置を指定します。
Excelで、[名前の定義]を設定しているセルであれば、その名前(上図では"日付")を利用できます。
[名前の定義]が設定されていない場合は、[Excel内で示す]や[カスタム入力]で、直接セルを指定しましょう。
行を自動インクリメント
この項目は、繰り返しアクティビティの中で使われることで、機能が有効になります。
インクリメントとは、「値をプラス1する」という意味ですが、このアクティビティでは、書き込むセルを1行下に移動することを意味します。
なお、インクリメントが有効になる繰り返しアクティビティは、以下の4つです。
例えば、こんな例を考えてみましょう。
例題
セルB2に"=Row(B2)"を書き込む。インクリメントはON、繰り返し回数は5回。
繰り返しには、[繰り返し(指定回数)]アクションを使います。
Excelに書き込まれる結果がどうなるか、イメージできますか?
Row()は、カッコ内のアドレスの行番号を返します。"=Row(A100)"なら100です。
答えはこちら。
B2からB6まで、"=Row(B2)"が記入されています。
ひょっとしたら、B3には"=Row(B3)"、B4には"=Row(B4)"のように、数式のアドレスも値がプラスしていくだろうとイメージするかもしれません。
ですが、[書き込む内容]が固定値のため、そうならないことに注意してください。
一例ですが、参考までに。
期待どおり、B6へ"=Row(B6)"が書き込まれるようにするには、詳細エディターで「"=Row(B" & CurrentItem + 1 & ")"」を入力すればうまくいきます。

オートフィル
Excelのオートフィル機能を使用して他のセルのデータを元にセルにデータを入力します。(ガイドはこちら)
選択した範囲の値の法則性に従って、表の一番下まで値を埋める機能です。
つまり、Excelの[オートフィル]とほぼ同等の機能です。
ここでは、[ソースを選択]について解説します。
ソースを選択
オートフィルを掛ける際に、選択する範囲を指定します。
冒頭のサンプルで言えば、"A2:A3"です。
StudioXの[オートフィル]は、Excelのオートフィルとは違い、表の一番下まで値が埋められます。
例えば、下図のように、A7に何か値が入っているとしましょう。
Excelの場合、値が書き込まれている手前、つまりA6でオートフィルがストップしますよね。
対してStudioXの[オートフィル]の場合、A7の値は書き換えられ、最終行まで値が書き込まれます。
まとめ
値を取得したり書き込んだりするだけであれば、そう難しくはないでしょう。
しかし、書式が絡んできた李、数式での編集になると、少し頭をひねる必要がありそうです。
まとめます。
まとめ
- [セルの数式を読み込み]は、式である場合のみ読み取り可能。
- [セルの書き込み]のインクリメントは、繰り返しの中で使うと、書き込み先が1行ずつ下がる。
- [オートフィル]は、値が入っている最後の行まで書き換えられる。
この記事で、何か1つでも新しい発見が得られたのなら、僕もうれしいです。