StudioXのアクティビティ

UiPath StudioXの共通アクティビティ【入力】

2021/07/09

StudioXの共通アクティビティは、「共通」という名が示すとおり、全てのアクティビティで汎用的に使えるものです。

特に、入力系のアクティビティは汎用性が高く、ほとんどのプロジェクトで利用されているでしょう。

この記事では、以下のアクティビティについて解説します。

記事編集時のStudioX - ver2021.4

入力のアクティビティ

  • 後のために保存
  • 入力ダイアログ
  • Orchestratorのアセットを取得
  • HTMLコンテンツを作成

後のために保存

後のアクティビティで使用する値を保存します(割り当てます)。保存した値は別のアクティビティの入力として使用できます。(ガイドはこちら)

文字列や数値、場合によってはデータテーブルなどの値に名前をつけて記憶することにより、様々な場所で呼び出せるようになります。

Studioでは「代入」と言いますが、人によってはそう呼んだ方が理解しやすいかもしれません。

このアクティビティには[保存先]と[保存する値]の、2つの項目があります。

保存先

記憶する名前を指定します。

名前には、どんな文字を使っても構いません。

英数字はもちろんのこと、記号でも日本語でもOKです。

プログラミング言語には「0から始まる変数名はNG」という暗黙のルールがありますが、それすらも許容されているのは面白いですね。

さすがに空白から始まる名前はダメですが、文字の間に使うのはOKでした。
おぐし

StudioXでは、思いきって日本語を使ってみてください。必要に応じて記号も使っちゃいましょう。

なお、[後のために保存]で設定した名前は、[データマネージャー]パネルに表示されます。

[データマネージャー]パネルの値をダブルクリックすると、名前を設定している場所へジャンプします。

ちょい技(クリップボード)

[保存先]の[+]-[詳細エディターを開く]をクリックし、”ClipboardX.ObjectValue"を入力してみてください。

すると、クリップボードに値がコピーされるようになります。

一時的に使いたいときにクリップボードを使うと、名前が増えずに済むのでいいですね。

保存する値

[保存する値]に指定できるものは様々あります。

テキスト、数、VB.NETコマンド

まずは基本の[テキスト]と[数]が指定できます。

[詳細エディターを開く]は、VB.NETコマンドを書き込むメニューですね。

保存された値を使用

先に保存している名前の指定も可能です。

同じ値だけど別名で表現したいという場合も使えますが、テキストであれば他の文字と連結したり、数であれば四則演算したりと、加工した後の値を保存する方が一般的でしょう。

メールの各種項目

メールの各種項目が指定できます。

Excelのセル値

Excelのセルを指定できます。

名前の定義も、範囲が単一のセルであれば選択可能ですね。

セレクター変数

セレクター変数を指定できます。

[セレクター変数]について簡単に説明します。

[セレクター変数]とは、Web上のアイテムを指定するセレクターで利用するものです。

ノートブックなどの値を引用してセレクターの構文を組もうとしても、直接参照することができません。

そこで、中継役を担う[セレクター変数]を使うわけです。

いわば、セレクター専用の[後のために保存]的な存在と言えるでしょう。

セレクター変数を扱うには、「CSSセレクター」の知識が必要です。

保存する値まとめ

保存する値に指定できるもの

  • テキスト、数、VB.NETコマンド
  • (先に設定した)後のために保存
  • メールの各種項目
  • Excelのセル値
  • セレクター変数

入力ダイアログ

ラベルメッセージと入力フィールドでユーザーを促すダイアログボックスを表示します。(ガイドはこちら)

自動化処理実行中に、ユーザーへ値の入力を促したい場合に使います。

入力ダイアログには2種類あり、ひとつは自分で値を入力させる方法、もうひとつは指定されたリストから選択する方法ですね。

ここでは、以下の項目について解説します。

  • [ダイアログのタイトル]と[入力ラベル]
  • [入力の種類]と[入力オプション]
  • オプション
  • パスワード入力
  • 入力した値

[ダイアログのタイトル]と[入力ラベル]

ダイアログボックスのタイトルとラベルを指定します。

当たり前ですが、何を入力するものか分かるようなテキストにするといいでしょう。

テキストの他、Excelのセルやメールの各種項目、VB.NETコマンドなどによる値が指定できます。

[入力の種類]と[入力オプション]

[入力の種類]=テキストボックス

[入力の種類]で"テキストボックス"を指定すると、ユーザーによる入力となります。

[入力の種類]=複数選択

"複数選択"を指定すると、リスト一覧から選択することになりますが、項目の数によりダイアログの形が変化します。

リスト一覧は、[入力オプション]で、";"(セミコロン)区切りで指定します。

項目が1つの場合

テキストボックスに、初期値として[入力オプション]に指定したテキストが入力された状態で表示されます。

項目が2~3つの場合

項目がラジオボタン形式で表示されます。

項目が4つ以上の場合

ドロップダウン形式で表示されます。

オプション

[オプション]は、VB.NETで項目を生成する際に利用します。

例えば以下の構文を入力すると、プロジェクトフォルダ内のExcelを項目として表示することができます。

※構文は、プロパティの[オプション]から入力しています。

また、かなりニッチなニーズかもしれませんが、項目の文字に";"(セミコロン)を表示させたい場合、[オプション]を使うと表示可能ですね。

パスワード入力

チェックONにすると、テキストボックスへ入力する場合に、テキストが伏せ字(●)になります。

入力した値

入力した(選択した)テキストの、記憶する場所を指定します。

[ノートブック(Excel)]や[クリップボードにコピー]、[後で使用するために保存]などから指定できます。

Orchestratorのアセットを取得

アセット名で指定した名前のアセットを取得します。アセットがグローバルでない場合、取得できるようにローカルロボットにアセットを割り当てる必要があります。(ガイドはこちら)

Orchestratorに登録されているアセット値を取得します。

ここでは、以下の項目について解説します。

  • アセット名
  • アセット値
  • フォルダーパス
  • タイムアウト(ミリ秒)

(準備)Orchestratorへアセットを登録

アセットでは、テキスト(Text)、TRUE/FALSE(Bool)、整数(Integer)を登録できます。

Orchestratorへのアクセスまでの手順はこちらを参照してください。

アセット名

Orchestratorに追加したアセットの名前を、[アセット名]に指定します。

アセット値

他のアクティビティで使うため、参照したアセットの記憶する場所を指定します。

[ノートブック(Excel)]や[クリップボードにコピー]、[後で使用するために保存]などから指定できます。

フォルダーパス

Orchestratorの違うフォルダー、例えば"Shared"のアセットを参照する場合は、プロパティの[Orchestratorのフォルダー]にフォルダー名を入力してください。

もしくは、StudioX右下のメニューを切り替えることでも、対象フォルダーのアセットを参照できます。

タイムアウト(ミリ秒)

Orchestratorのアセット値取得までの、タイムアウトの時間を指定します。

HTMLコンテンツを作成

メールで使用するため、または、Webサイトとして共有するためのリッチドキュメントを作成します。(ガイドはこちら)

WYSIWYG HTMLエディターを利用して、色やサイズ、表などによる表現が可能なリッチドキュメントを生成し、メールの本文などで利用できます。

エディターを開く

専用のエディターで、リッチテキストを編集します。

[エディターを開く]ボタンをクリックすると、エディターが表示されますが、使い方はExcelを使っている人であればアイコン見たら大体お分かりいただけるでしょう。

表現できる書式を適当に使ってみました。

もし、より複雑な表現をしたい場合、もとはHTMLソースなので、表示モードを切り替えればカスタムできるようになっています。

データの値を追加

エディターでは、[+]でノートブック(Excel)の値などを直接呼び出すことができません。

ただ、[データの値を追加]を経由することで呼び出すことが可能になります。

流れは、2ステップです。

  1. マッピングで呼び出したい値を登録する。
  2. エディターで登録した名前を追加する。

例題で、Excelの日付をエディターに登録する手順を説明しましょう。

[データ値をマッピング]をクリックします。 [値を入力]-[単一の値]をクリックします。 [値]の[+]-[ノートブック]-[日付[シート]]-[テキスト_日付[セル]]をクリックします。 名前に"Today"と入力し、[OK]をクリックします。
※名前に日本語は使えません。半角英数のみです。
編集画面に戻ったら、"日付は"と入力したあと、
[データの値を追加]-[Today]をクリックします。

メールの本文に反映させると、以下のようになります。

HTMLコンテンツ

エディターで作成したHTMLソースを他のアクティビティで使うため、記憶する場所を指定します。

[ノートブック(Excel)]や[クリップボードにコピー]、[後で使用するために保存]などから指定できます。

メールでリッチテキストを利用する

メールでリッチテキストを使うためには、2つのアクティビティが必要です。

まずは、[HTMLコンテンツ]を"html"という名前にしておきましょう。

続いて、メールのリソースを追加します。

ここでは[Gmailを使用]リソースを使いましょう。

そして、[メールを送信]アクションを追加し、オプションの[テキストからのHTML本文]に、"html"を指定します。

これで、リッチテキストをメールに反映できました。

[メールを送信]アクションにもエディターが付属していますね。
おぐし

まとめ

入力系のアクティビティは、ひとつひとつが多岐に渡る動きをしてくれます。

おそらく、ガイドを読んだだけでは分からなかった部分についても、この記事で補えたんじゃないでしょうか。

まとめます。

まとめ

  • [後のために保存]の[名前]に日本語や記号を指定できる。
  • [Orchestratorのアセットを取得]では、種類にテキスト、True/False、整数を指定できる。
  • [HTMLコンテンツを作成]は、[データの値を追加]で他ファイルの値が参照可能。

この記事で、何か1つでも新しい発見が得られたのなら、僕もうれしいです。

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